蝶々
でも、私は待っていたかのように見ていた英文法書から顔を上げるようなことはしない。
こっちに来るのを待つ。

・・・だって、そんな待ってたなんて恥ずかしいじゃない。


おそらく教室の新たな住人は私の前の席の人。
たんったんっと教卓を通ってくる音の後、かたん、と鞄を机に置く音がした。
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