意地悪な上司



「嬉しいな〜君からお誘いのディナー」



笑顔の速見さんに対し私はあまり笑えない



「これ読んでください」



速見さんに渡したのはできたての本



「杉子さんの新作?」



「最初の物語の佳奈<カナ>さんは私です

今から読んでください」



「今から?」


「全部じゃないんで!今読んでください!!」



「………分かった」











30分後


速見さんは黙って読み終えた




「この本を読んでも私を好きでいてくれますか?」



孤児院育ち

今も盗みをしていること





その本には全て本当のことが書いてある




「好きだよ」



優しい一言




「結婚してくれますか?」



速見さんからプロポーズと白い箱を渡された






「はい……」


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