意地悪な上司
「今日あるなんて聞いてないよ」
「緊急なんだって」
綿貫は笑う
なんで笑えるのかな
今から窃盗しに行くのに……
「何よその顔よ」
笑えるわけない
だって…
「いいじゃん綺麗な世界は私たちには似合わないんだから
私たちは産まれた時からこんな世界しか生きられないんだから」
「…そうだね、まだ時間?」
「まだ入ると赤外線がね
あと13分」
「そう」
私たちは今はビルの物置小屋にいる
今回はその会社の書類が欲しいらしい
「ねぇ今でも親を恨んでる?」
綿貫に聞いてみた
「別に…ただ、綺麗な世界で生きていたら私たちの人生も変わっていたのかな」
「………変わっていた、よ」