Peach

帰りのHRで、プール掃除に誰か参加してくれないかと担任が言った。
プール掃除はなかなかやりたがる人がいないため、各クラスから2名づつ参加させることになったらしい。

もちろん、率先してやりたがる生徒なんていない。



でも、私の予想は裏切られた。


ゆっくりと手を挙げたのは、彼。



「はぁーい!
俺やりまーす!」


クラス中が笑った。


「まぢでやんのー!?笑」

「藤原ぁ〜なんか悪いもんでも食ったんじゃねーの〜??笑」

「藤原ちゃんモノズキだねぇ〜。笑」


みんなにバカにされても、藤原創はニコニコと笑ってた。


担任が、「もう一人誰かいないか〜?」と聞く。

人がやるのは面白いが、自分がやるのはイヤって人ばかり。



誰の手も上がらないので担任が困っていた。



そんな時、藤原創が声を出した。



「あ、俺、及川さんと掃除しまぁーす」






クラス中がざわつく。

私は頭が真っ白になった。




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