Peach
「あの…、藤原君…?」
私はなんて言っていいのかわからなくて、とりあえず声をかけてみた。
すると、彼は驚いたように顔をガバッと上げた。
「及川さん、俺の名前知ってんの??」
名前を呼んだだけなのに、なんだかすごく驚いた顔をしている藤原創の顔が可愛くて、私は思わずクスリと笑ってしまう。
「あ………笑った……」
小さな声で、呟かれた言葉に
「あ、ごめんなさい!
気に障った…?」
私は慌てて謝る。
でも、彼は大きく首を振って、下から私を見上げながらニコリと笑って言った。
「ううん!!
すっげーカワイイと思う!!」
ストレートな彼の言葉に、私は暮れ始めた夕日と同じくらい、顔が赤くなるのを感じた……