Peach

なんだかすごく恥ずかしくなって、私はその場にしゃがみ込む。



だって、頭がふわふわしちゃって立っていられなかったんだ。




すると、藤原創が私の隣に駆け寄ってきた。


「大丈夫…?及川さん?」




心配そうに私の隣にしゃがみ込んだ藤原創は、静かに私の背をさすってくれる。





靴箱の時みたいに、背中が熱くなるのを感じた。




ああ………




私、誰かにこうやって




優しくされたかったんだ…………




与えられた優しさに、涙が溢れた。







私の涙が止まるまで、藤原創はずっと、背中をさすってくれていた。



< 31 / 63 >

この作品をシェア

pagetop