cieliste
はじめの仕事は、みんな、出されたメニューをお客さんのところに持っていったり、空いたお盆を下げたりすることから。

オーダーをとることは、いきなりは難しいので、最初はみんな、先輩を呼んだり、ときにはあからさまに逃げたりするんだけど、彼女ははじめから、てきぱきとオーダーをとっていた。

お店にくるお客さんは、お昼は大学生と近くの商店街の人が多く、ほとんど常連客ばかりなので、新しい店員が入ったと気づくと、珍しい目で見てくる。

ユウカも

「あら、新しい子?」

などと多くの人に話しかけられていて、そのたびに、

「はい、よろしくお願いします!」

と、声を出して笑いながら、元気よく返事をしていた。
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