cieliste
「大丈夫?」

私は思わず聞いた。

「あの、申し訳ないんですけど、今日バイト変わってもらえませんか…? マイ、風邪ひいちゃって…」

それは、声からして明らかだった。

しかも、本当に、電話するのさえつらそうで、私は思わず、

「うん、わかった、いいよ。大丈夫」

と何度もうなずいていた。

さすがに、これは、私が頼まれると断れない人、ということにかかわらず、誰だってうなずいてしまうはずだ。

「ありがとうございます…じゃ、奥さんにはマイから言っておきますね」

マイちゃんは、そう言って電話を切った。

奥さんには私から言ってもよかったんだけど…

改めてケータイを見直すと、1通のメールが届いているのに気づいた。

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