cieliste
8 21日目の奇跡
それは、あまりに唐突だった。


私はその日、もうすっかり一人前になったアイちゃんと2人でバイトに入っていた。


ユウカが、厨房の従業員出入り口から突然入ってきたのだ。


しかも、ボロボロと泣きながら。


「ルカちゃん、ルカちゃぁぁあん」

私はいったい何事かと思ったが、とりあえずお客さんが着たので接客に向かった。

ユウカはホールから見える位置にある、うどんの麺を打つ麺打ち台の中に入り、座り込んでボロボロと泣いている。


「聞いてよ、ルカちゃぁん!!」

ユウカは店にいるお客さんのことなどおかまいなしに、接客中の私に近づいてきた。
< 112 / 200 >

この作品をシェア

pagetop