cieliste
ともかく、その日は店が閉店した後、ユウカと私は残って彼女の話を聞いた。

彼女と一緒に来た奥さんはいつの間にかいなくなっていたし、アイちゃんは、レポート書かなきゃいけないんで、帰ります、とさっさと帰ってしまった。

「あのね、ウチ、お母さんとケンカして、家出してたって言ったでしょ。

でも、勇気を出して連絡してみたら、お母さんと話せたの。

んで、お母さん、ちょっと前に再婚して、今おなかの中に赤ちゃんいるんだって。

で、ウチ、お姉ちゃんと弟がいるんだけど、お姉ちゃんも結婚して、今おなかに赤ちゃんいるの。

お姉ちゃんの赤ちゃんの方が先にうまれるんだけど、2人とも今年中に生まれるから、お母さんにとっては、孫と娘が同い年になるんだよ、すごくない?」

「まぁ、すごいけど…」

「弟も、元気でやってるって」

「ああ、そうかい」

私は彼女の、どうでもいい話をその後延々と聞かされたのだ。
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