cieliste
「今まで殺した子どもたちの、名前と命日」

彼女は、少しもためらわず、はっきりと、ただほんの少しだけ寂しそうに言った。

私は…そんな答えは聞きたくなかった。

自分の軽率さを後悔した。

彼女は…ヘーキで子ども作って、ヘーキで中絶なんかして、血も涙もないやつ、なんて思っていたけれど、ちゃんと、子どもをおろした日を覚えてて、名前もちゃんと付けてたんだ。

私より三つも年下の女の子。

もしこの子が、最初から幸せに、子どもを産めていたら、彼女はすでにお母さんなのか…

私は自分が母親になるなんて、まだ当分先だと思っていたため、彼女のことが、ほんの少しだけ、大人に見えた。
< 65 / 200 >

この作品をシェア

pagetop