cieliste
言おうか言うまいか迷っている、というよりは、口を開く気力もないといった感じだ。

「できちゃったんスよ、赤ちゃんが」

「え」

私は、たいした反応もできず、固まった。

「最近ずっと、ご飯食べられなくて、ずっと食べても吐いちゃってて、おかしいなと思ってたんですけど、今日病院行ったら、できてて」

目の前にいるこの一人の女の子のおなかに、赤ちゃんがいるなんて、どうしても信じられなかった。
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