cieliste
そして、はじめて一緒に仕事に入る日。

「ユウカです。よろしくお願いします。えへへへ」

ユウカという名前の、彼女は、とにかく、にこにこしていた。

ただ笑みを浮かべているだけじゃなくて、声に出して笑っているのだ。

いったい、何がそんなに楽しいのだろう。

彼女は、背中くらいまである長い髪を、うなじのあたりで二つにわけで結んでいた。

笑うと目が糸のように細くなって、ちょっとだけ小首をかしげるくせがある。

お昼のピークの前に彼女は出勤して、私たちと顔を合わせたあと、仕事をはじめた。

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