不可解な恋愛 【完】
『これ食べたら、太れるかな?』
「痩せてたいんじゃなかったのかよ」
『神崎さんが、デブが好きって言うから…』
「そんなこと言ってねぇだろ」
『神崎さんに好かれたいんだもん、わたし』
何言ってんの、この女。
やっぱりどっかおかしいわ。
今まで合っていた視線を逸らして、明後日の方向に煙を吐いた。
コーヒーと煙草ってなんでこんなに相性がいいんだろうな。
俺の体は常にカフェインとニコチンを欲してる。
そろそろ奏音のこと抱きたいな。
しばらく会うことすらままなってない状態だ。
奏音は今頃どこで、何してんだろ。
咄嗟にどうでもいいことを思いついて
咄嗟に奏音のことを考えてしまったのは
俺の思考が戸惑っている証拠だろう。
何を戸惑ってるんだよ、俺。
返す言葉なんて決まってんだろ。