不可解な恋愛 【完】
『会いたかったよー!』
「……。」
『あれ?怒ってる…?』
「怒ってるよ」
『…勝手にいなくなったから?』
「そう。それと、倒れるまで無理して働いてたことにも怒ってる」
『…ごめんなさい、』
「馬鹿じゃねぇの?心配させんな」
『心配してくれてたの?うれしー!』
「……、はぁ」
やっぱり杏奈は杏奈だ。
自分のテンションに俺を持っていこうとする。
ちょっと呆れた俺を見て、楽しんでさえいるような顔をする。
だけど、こうして振り回されて、満更でもない表情をしているのであろう自分が、だいぶ恥ずかしい。