不可解な恋愛 【完】
Episode 13
『神崎さんイッケメーン!』
「……、」
杏奈は仕事を辞めた途端、髪の毛の色を栗色くらいの暗さに染めた。
正直、金髪の女をはべらせて歩くのは気が引ける、と思っていた俺には丁度都合が良かった。
仕事のない日、約束通り「デート」をすることになった俺たちは、日が暮れて外が暗くなった後に待ち合わせをした。
午後8時。とりあえず、飯。
杏奈がごり押しするフレンチレストランで、いつもより高いスーツを着て、サラリーマンを装う俺。
別にいいんだけどね。やくざだろ、って思われたって構わないけど。