不可解な恋愛 【完】



『だから、神崎さんに出会えて、本当によかったと思ってるの』


「…うん、」


『ありがとう、神崎さん』


「なんだよ改まって」


『……あ、もうすぐてっぺんだ』






観覧車のポールが見えてきた。

杏奈はにこにこしながら、窓の外を指さした。

俺は杏奈の様子が少しおかしいことが気になりながらも、いきなりきゃあきゃあとはしゃぎ始めた彼女に笑って。

だけどてっぺんに差し掛かる直前、ころころと変わる杏奈の表情は、また変わった。
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