不可解な恋愛 【完】
「早速行方不明ですよ」
「保証人がいるだろ、保証人が」
「そっから巻き上げるしかないですね。とりあえず最初の分。利子も含めて、いくらでしたっけ?」
「300万」
「可哀想になぁ。連帯保証人ほど可哀想なもんもないっすね」
「お前顔が笑ってるよ」
また最近寝不足だが、カフェインの大量摂取で自分の思考回路をどうにか保つ。
だけど依然ぼんやりしたままの頭で、ふたりのそんな会話を聞いていた。
あー…しばらく休みたい。
「そういや保証人、女でしたね」
「ああ。身内ではなさそうだな、名前からして」
「愛人っしょ」
「さぁな。まぁそんなとこだろうけど」
ひとつ、あくびをしてちらりとふたりに目をやると
彼らは一枚の書類を見ながら話をしていた。
彼らの背後から射す光に透かされて、紙にプリントされている文字がこちらからうっすら確認できる。