不可解な恋愛 【完】
『違うよ!どうして?』
「…じゃあなんでだよ」
『なにが?神崎さんわかんないよ、』
「じゃあなんでお前、あいつの連帯保証人なんかになったんだよ」
年利2000%という、違法な取り立てをしている俺達。
彼女に返済能力があるとは思えない。
『あ、あれは…。だって、マスターが…名前貸してくれるだけでいいからって。困ってるって、言ってたから』
「……相当アホだな、お前」
『それがどうかしたの?』
「あいつ逃げたんだよ。だから連帯保証人のお前が、借金背負わされんだよ、これから」
『え…、』
部屋の空気が、凍ったように冷たくなったのを感じた。
杏奈はその透明な目に、みるみるうちに涙を溜める。
今泣いても遅ぇんだよ。