不可解な恋愛 【完】
「あの男、俺が探すわ」
「え?龍ちゃーん、まさか真に受けたの、俺の暴言を」
「馬鹿か。もともと俺の仕事だから、俺が責任持つのが道理ってもんだろ」
「お前、任侠とか気にするタイプ?昭和だな」
「黙れはげ」
「お前が黙れ」
俺たちの低能な言い合いに、上司がまた笑う。
のんきなやくざたちだよな、まったく。
同僚が、今まで調べていたと言う情報をまとめた資料をくれた。
目を合わせずに礼を言うと、素直に喜べよ、と髪をくしゃっとされたから
奴の手のひらを思いっきり叩いてやった。