不可解な恋愛 【完】
Episode 8
この日以来、構ってやれないよ、なんて言いながら俺はたびたび杏奈に会いに行った。
杏奈はやっぱりいつも笑っていて、仕事で胸に溜まった黒いものが、彼女を見るとストンと消化された。
変わらず、奏音とも会っていた。俺はやっぱり奏音が好きで。
そんな自分の最低さに気づいてうんざりする日々が面倒臭くなって、もういろいろ考えるのをやめた。
どうせ今まで、まともに生きてこなかったじゃないか。だからこんな仕事に就いているんだ。
女をゴミみたいに扱っていたときだってあったし、そんな頃に比べれば、今なんかまともなほうだ。
そう自分で自分に言い聞かせて、二人の女を同じくらい愛してしまった自分を、必死に正当化した。
めんどくせ。
自業自得か。
「龍、女臭い」
「え、なに、奏音」
「他に女がいるの?」
……やはり女頭は鋭かった。
隠しているつもりも、ひけらかしているつもりもなく、ただ普通にしていただけなのだが。
俺に抱きついて首筋に唇を沿わせたままの状態で、奏音は口を開いた。
鈍い熱が体に集まる。
杏奈はやっぱりいつも笑っていて、仕事で胸に溜まった黒いものが、彼女を見るとストンと消化された。
変わらず、奏音とも会っていた。俺はやっぱり奏音が好きで。
そんな自分の最低さに気づいてうんざりする日々が面倒臭くなって、もういろいろ考えるのをやめた。
どうせ今まで、まともに生きてこなかったじゃないか。だからこんな仕事に就いているんだ。
女をゴミみたいに扱っていたときだってあったし、そんな頃に比べれば、今なんかまともなほうだ。
そう自分で自分に言い聞かせて、二人の女を同じくらい愛してしまった自分を、必死に正当化した。
めんどくせ。
自業自得か。
「龍、女臭い」
「え、なに、奏音」
「他に女がいるの?」
……やはり女頭は鋭かった。
隠しているつもりも、ひけらかしているつもりもなく、ただ普通にしていただけなのだが。
俺に抱きついて首筋に唇を沿わせたままの状態で、奏音は口を開いた。
鈍い熱が体に集まる。