不可解な恋愛 【完】
この後、俺は杏奈の部屋を訪ねた。それも突然。

中途半端にほったらかされて、すごすご一人で寝ると思う?絶対無理。

マンションの下に着くと、彼女の部屋の電気はまだ付いていた。






『神崎さん!』


「ごめん、急に」


『ううん、嬉しいよ』


「上がっていい?」


『もちろん!』






奏音とは、やっぱりカラーが全く違う。

千切れるくらいに尻尾を振って、飼い主の言うことを聞く従順な犬のように、杏奈は俺に抱きついた。

頭をがしがしと撫でてやると、本当に幸せそうな笑みで俺を見上げて。
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