不可解な恋愛 【完】
実は、国東市にあの経営者が居るという情報があった。

この数日のうちに国東に行って、奴をひっ捕まえてこようと思ったが、いかんせん情報量が足りずやきもきしていた。

だいたい俺は、大分に縁もゆかりもない。地理的知識はひとつも頭に入っていなかった。

とりあえず国東に下見に行って、うちの系列の組に話を聞いて、情報を集めようと思っていたのだ。



女は仕事の邪魔になるが、まぁ下見ついでだ。いいだろう。

どうやら神崎温泉はかなりマイナーな温泉らしい。よくそんなもん見つけたな、この女。

もし大分で運よくあの経営者に出会えたとしたら、杏奈の前でアスファルトに額を擦りつけさせて、土下座でもさせてやろうと思う。
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