不可解な恋愛 【完】
誰に習ったの、こんな甘い技。今まで何人の男と寝たんだよ。
そう言ってやりたい、本当は。
そんな子供っぽくて男らしくない感情が俺の中にあることを知ったら杏奈は、どう思うんだろうか。
嫌いになるのかな。
『か、んざき、さ、ん、』
「ん…?」
『すっごい、きもち、い…』
「…ばーか」
今まで女に、こんな素直にこんな台詞吐かれたことあったっけ。
苦笑して、でもすごく愛しくて、彼女の中を感じたまま抱きすくめる。
少し動くだけで、弓なりにしなる白い身体。
それはすごく柔らかで、まるで綺麗な深海の砂のようだ。
掬っても、零れてく。
終盤、苦しげな杏奈の表情に、どんどん上がる自分の中の熱。
吐き出すように、身体を重ねた。