不可解な恋愛 【完】
「お前まだ奏音と付き合ってんの?」
水島と俺と奏音は奇しくも同い年で、一緒に仕事をしていたこともあり仲が良かった。
水島は温厚そうに見えて実は、本当に凶悪な犯罪をパソコンひとつで成し遂げてしまう、最低な男なんだけど。
こんなに頭がいいんなら、別の道に進めただろうに。なぜこいつは犯罪者になったんだろうか、理解不能。
「付き合ってるよ。だからなに?」
「それなら指輪買ってくれ、俺から」
「はぁ?お前いつから物売りになったの」
「ほら、種類もこんなにあるわけだし」
「人の話聞け!」
向かいに座る俺に、指輪の入ったケースを開いて見せる水島。
中にはキラキラと光を反射した、色とりどりの指輪が収められていた。
どうやらどれもブランドのものばかりのようだ。