儚キ想イ
そしてたどり着いた場所は……
「屋上………?」
「ごめん」
「え?」
扉を静かに閉めて私よりも一歩前にでた。
「彼女が作れる率が上がるとか言って」
まだ覚えてたんだ。
「別にいいけど…」
「俺間違ってた」
「ん?」
「俺の彼女になるのは」
「お前だけ」
桜が咲いた。そして彼に咲かされた私の心の華。
いつまでも咲き続けさせると言った彼の言葉は私をまたピンク色にさせた。
『今週遊ばない?』
『やっぱりあれのほうがいいよ』
『何か欲しいものある?』
『体には気をつけろよ?』
『好きに決まってるだろ!?何度も言わせんなよ…恥ずかしい……』
毎日のナギの言葉が大切でしかたなかった。
遊びの約束をした日。
「今度の週末遊ばない?」
「いいよ!」
「じゃあ詳しいことはまた話しするわ!んじゃ♪」
楽しみにしすぎて遅刻したこともあった。
私の嫉妬で始まったケンカ。
「ねぇ…あの子と何話ししてたの……?」
「え?えっと…」
「……もうこれで何回目!?」
「………………」
「……私じゃ不満なんだ」
「………」
「何か……言ってよ……」
「俺はお前だけ。そう言っただろ?」
「………ぅん……」
いつも私が泣かされる。
そんなことを飽きないほど繰り返してもう付き合ってから1ヶ月。
長いようで早い自分の人生の一部をこんなに早く感じてしまった……と思う。
これからはもっと早く感じるんだろうな…。
「シノはいいな〜入学式早々、彼氏作れるなんて」
「う〜ん…なつもできるよ!」
「そうだといいんだけどな〜」
「出来たらWデートしようね?♪」
「うん!」