儚キ想イ

 休日の午後はどこも人が多くて賑やか。

「ねぇ」

「ん?」

 ずっと前から約束していた今日のデート。

「今日はどこに連れて行ってくれるの?♪」

「秘密〜ついてからのお楽しみってやつ!」

「なにそれ」

「まぁまぁ♪お楽しみはついたときの喜びが大きいから、今話したらだめなんだよな〜」

(何いってんのか…)
 街を外れてついた場所は港付近。

倉庫、船、大きな箱に……派手な車。

「こ…こんなとこで何するの……?」

「連れてきましたよ」

「は?」

 ナギが発した言葉と同時に黒いスーツを身にまとった怪しい男の人たちがでてきた。

「やぁシノさん」

「え…ちょ……」

「そんなに怖がらないで下さいよ?」

「いや……寄らな………い…で……」

「大丈夫ですか〜?」

「ハハハハハ!」

 黒いスーツを着た男の人たちが近寄ってくる…。

逃げないと…ナギ……?

「な……ぎ…………?」

「……………」

「………ぁ……」
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