儚キ想イ
(……ナギ……何で)
授業なんか受けていられない。
でもこの教室を勢いよく出て行く元気もない。
「シノ?」
「ぁ……なつか…」
「最近元気ないけど…ナギ君と何かあったの?」
「ううん!ただお腹すいたから我慢出来なくて!」
「もうお昼だからね〜」
「待ってました♪早くこないかな〜」
「………」
午後の授業は当たり前のように頭に入ってこないし入れていない。
なつにもなるべく気づかれないように理由作ってるし何とかなってるだろうな…。
ナギがどうしてあんな人達と絡んでいたんだろう。
見た目は高校生っぽいし…。
あんなやつでも真面目だから…不良になることはないと思ってたのに…。
やっぱり中学生になったらみんな大人になるのかな〜私だけかぁ…子供のまま時間に身をゆだねてるのは。
何を考えたらいいのかもどうしたらいいのかもわからないまま夜が明けていった。
ナギに裏切られた夜から毎日同じことばかり考えて悩んで泣いて、朝を迎えて…それの繰り返しばかり。
何一つ自分を変えようとしていたい自分が情けなくなってきた。