満ち足りない月
セシルはカーテンの隙間から漏れる太陽の光を受けてスーッと立ち上がった。
そしてボサボサになっている綺麗なブロンドの髪を、ドレッサーの上に置いてある櫛を持ち、髪をとかした。
鏡を見ながらキッと前を見ると、「よし」と強く呟いた。
扉を開き、昨日来た順に下へ降りてみる。
ラルウィルはどこにいるのだろうか。
部屋を出て、階段を下りる頃にはすっかり目が覚めていた。
一階に着くと、広いホールを見渡したが居ないようで、セシルはキョロキョロとしながら屋敷を歩いて廻った。