ノワール・ナイト
「嫌!!
ぜっっっったいに嫌よ!!」
「アルディス様、そう仰らずに…」
「どうかお着になって下さいませ。」
部屋から出ていったギルバート王子と入れ替わり、2人のメイドが着た。
そして、運ばれてきた色とりどりのドレス…。
「王子…アルディス様が…。」
困ったメイドは王子を呼びにドアを開けた。
「アルディス?」
入ってきた王子に私は告げた。
「何故こんな華美な必要があるの?
私は魔女よ。
黒いドレスで充分よ!!」
ピンクやエメラルドといった色のドレス達に反論する私。
だって…黒以外、着たことないもの…。
「アルディス…君は可愛いのだから黒ではもったいない。」
な…真顔でそんな事…──…胡散臭い。
冷めてる私とは反対にメイドはキャーキャー言っていて。
「アルディス…?」
顔をいきなり近づけてキスしてきた王子。
「な、な…人前でッ!!」
「君がドレスを早く着ないからだ。」
「ま、魔女には黒が一番よく似合うの!!
母様が、よく言っていたわ!」
顔がだんだん熱くなって視線を反らすと、ギルバート王子はドレスを一着とって私にあわせた。
「それでも…君には、明るい色の方が似合うよ。」