ノワール・ナイト
side,アルディス
ここへ来て1ヶ月がたった…。
「…アルディスは、僕より年上なのか!?」
隣に居るのは、らしくないマヌケな声を出すヴァンパイアの王子。
たしかに、身長も低いし童顔な私は年下に見られてしまってもおかしくない。
「そ、ギルより4歳年上なのよ?」
「ずっと15歳くらいかと思ってた…」
面食らったような表情のギル。
…こんな姿を見れるのも私くらい…よね?
さすがに慣れてきた城内。
ヴァンパイアの城って、もっと暗いイメージだったんだけど…。
メイドさん達も執事さんも家臣の人たちも…私に明るく接してくれる。
食事や景色も最高だし…住めば都…ってこの事なのね。
ただ、不便な点を言えば…
魔法が使えないこと。
城の中は特別な術が、かけられてるみたいで何度試してもダメだったの。