ノワール・ナイト
side,ギル
君は、声で瞳で仕草一つで…全てでこの心を支配する。
そんな、僕の魔女。
ロザエフ王が訪ねて来た時、僕は焦った。
この暗い城に光をくれた君…。
そんな君が、帰りたい…と言ってロザエフ王と共に帰ってしまったら?
父母、兄姉に会いたいと思ってしまったら?
──…だから、帰るつもりがない…と言って安心した。
君なしで生きる自信が、もうない。
誰でもいい、と思っていた妃。
しかし、もう君以外は考えられなくなっている。
僕の全てもあげるから
どうか──…