ノワール・ナイト
「あ、起きたッ!」
僕は目を開けた。
見えたのは自室の天井と、アルディス。
あぁ…そうか。
力の使いすぎで気を失ったのだった…。
情けない。
「自業自得なのよ。
まったく…相手が素直に帰ろうとしてたんだから、何も怒りを煽る必要ないんじゃなくって?」
アルディスが呆れるように言う。
ただし、口元は微かに笑っているような…気がする。
「アルディスは僕の姫だと、言ってやりたかったからだ。」
「…にしても、何あの“僕達ヤりました”宣言は?」
アルディスがため息をつく。
僕は笑った。
「いいじゃないか。
どちらにしろ、周知の事だろう??」
起き上がり、アルディスを引き寄せる。
「いい?」
「はいはい…。」
牙を立てると、口に広がる血の味。