ノワール・ナイト
“ギルバート王子”
そう呼ばれている彼は確かに、王子と呼ばれるに相応しい顔立ち、身のこなしの持ち主だった。
「僕はギルバート。
ヴァンパイア王家の第四王子だ。」
起きたのは翌日の夜…。
ヴァンパイアにしたらこれからが活動時間ね。
自己紹介した王子は私の髪にそっと触れた。
「君はギル…と、呼んでくれて構わない。」
呼ばないわよ。
そんな親しげな呼び名なんか…。
「…それで?
私をこれからどうする気?」
私の言葉に軽く微笑んだ彼は、とても…カッコイイ。
「着る服を用意させよう。」
…王子は私の言葉に返事はせず、メイドを呼んだ。