O.S.C
そう思っていると、ふと洋風の美少年と目が合った。

…妙な雰囲気を持つ美少年だな。

そんなことを考えていると、あの美少年が、

―くすっ―

と微かに笑った。

…何だ? まるで心を視られたような…。

いぶかしく思っている間に、彼等は次々と電車から降りていく。

美少年は1番最後に降りるみたいだ。

だが、降りる瞬間、口元が動いた。

声には出なかったものの、語っていた言葉は…。

―また、お会いしましょう―

と、確かに唇は動いていた。

電車の扉はすぐに閉まったが、彼は電車の外から私を見送った。
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