O.S.C
「ああ、でも一応持っておいてくれ」

私は橙色の折り紙を1枚、彼女に差し出した。

「鶴は速さの象徴になっている。だから緊急の時は『気』を込めて空に投げれば、近くにいる私の同属がクイナを助けてくれる」

「わたしにはカウがいるんですけど…まあ貰っておきます」

肩をすくめたが、折り紙を受け取ってくれた。

「それじゃあ、くれぐれも注意してくれ。相手は強い」

クイナはきょとんと、目を軽く見開いた。

「マカさん…よりも?」

思いがけない言葉に、私は苦笑するしかなかった。

「今のところは、な。だから用心してほしい」

「…分かりました。気をつけます」

「ああ、じゃあな」
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