O.S.C
「私でなきゃ、取りに行けない所だったんだ」

「へ~。マカも大変だなぁ」

「ちゃんと礼は貰うから良いのさ」

そして肩を竦める。

しかしソウマは険しい表情で、店内に戻って来た。

「マカ、ちょっと良いですか?」

いつも柔和な態度しか取らないソウマにしては、珍しく少し焦っている。

私はハズミと視線を合わせ、すぐさま立ち上がった。

「どうした?」

するとソウマは奥の方へ手招きした。

ハズミとマミヤに聞かれたくない話ということか…。

「今、連絡が入りましてね。とある地域で、『力』を持つ人間が突如行方不明になっているそうです」

「何だと?」

あくまでも小声で、問い返す。

< 44 / 60 >

この作品をシェア

pagetop