O.S.C
「どうしました?」

村の奥から、美青年が出てきた。

私を見ると、軽く頭を下げる。

青年に村人は小声で話しかけた。

すると僅かに青年の表情に陰りが差す。

「あの2人のことを…。そうですか。僕からご説明しましょう」

青年はそう言って、近付いてきた。

「とりあえず場所を変えませんか? ここではちょっと…」

「ああ、構わん」

私は青年に連れられ、村はずれの湖に来た。

「…消えた二人は僕の友達でした。でも…」

「消えた二人に特別な力があった、だろう?」

先に言うと、青年の目が丸くなった。

「よくご存知で…」
< 50 / 60 >

この作品をシェア

pagetop