天使
第一章
ずらりと並んでいる背中から、白い羽根の生えた人達は、多分みんな私と一緒なんだろう。と頭の中で密かに一人の淡い桃色がかっている羽根をもった天使は思った。
桃色の羽根の天使は、今回初めてこの天界の【天使昇級試験】を受けることになったのだ。
「天使番号T99の180659番、連いてきてください。」
「はい!」
それじゃあ、みなさんお先に失礼。
なんて思いながら、長い長い列をあとにして天使昇級試験官の後について行く。
やっとこの白い羽毛の絨毯から、抜け出せる。そう思っただけで、どんな試験がきてもこの昇級試験に受かりそうな気がした。