あなたを想う。
「おーい!!聞こえる?
なんで黙り込むの?
…もしかして彼氏いるの?」
彼氏なんているはずがない。
外見はこんなんだけど
生まれてから一度も
好きな男なんかいなかったし
付き合ったことなんか
なかった。
「…ぅぅん。
彼氏なんかいないよ?
あのッあのねッ…?」
やっぱり言葉がでてこない…
あたしダメだなぁ…
また黙り込んでしまう
「李奈ちゃん?大丈夫!?」
―――なにか言わなきゃ!
「ッ…ドキドキする!!
あのね、あたし翼君の事
知ってたよ!
1年生の春、翼君をみかけたの。
あたし…
あの時初めて翼君を見た時から
ずっと好きだったんだよ…?」
素直な気持ちをストレートに
言える自分にびっくりした―――