あなたを想う。


その日あたしは
初めて翼と手を繋いで
学校から帰った――

みんなの視線が一気に
集まって
あたしは胸が痛かった―


だけど…

横を見れば大好き翼がいる―


あたし強くならなきゃ…
だって翼が好きだもん。




翼の家からあたしの家は
遠い――――

「李奈ちゃんの家まで
送るよ!俺、今日暇だし、
李奈ちゃんの
彼氏だし(笑)」

「あはは(笑)
ありがとう。でも遠いから…
大丈夫。」

こんなセリフを吐けば
ここでバイバイなんて
目に見えてる―――

あたしは顔に出さないように
そう伝えた―――






「いや〜悪いけど
まだ帰さないよ?
まだ俺、李奈ちゃんと
一緒にいたいし!!」


あたしは素直に嬉しくて
あたしは素直に答えた。

「あたしも翼といたい…」


恥ずかしかった、こんな言葉。
自分の口から
こんな言葉を言うなんて
思ってもなかったから…


「李奈ちゃん、
ちょっときて」


あたしは翼に手を引かれる―

大きな大きな翼の手…
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