あなたを想う。

翼と話ていると

ママがきてくれた―

「ママ!!」


ママは翼を見てる。

そりゃぁ、そうだよね。

だって翼の見た目は
すごいから。

ママがゆっくり口を開く。

「もしかして李奈の彼?」

「あっ。そうです!
佐藤翼といいます!!」

ママが優しい笑顔に変わった――
「李奈の母です。
いつも李奈がお世話に
なってます。」


なんか柔らかい優しい風が
流れた気がした―――


「翼くん、今日はもう遅いから
帰りなさい?
あとはあたしが居るから」


「はい。李奈ちゃん!!
また明日くるからね!」

「うん。ありがとう、翼!!」


翼にバイバイを言う。

ちょっぴり寂しい気持ち。


なんとなく口を開いたあたし…


後悔した―――

聞かなきゃよかった。

「ママ?
李奈はいつ退院できるの?」


ママの表情が暗くなるのが
わかった。

あたしは後悔した…


「あなたはずっと退院できない」

え?なんで?

だってあたし元気だよ?

喋れるし歩けるし
普通だよ?


「え!?ママどういうこと?」

「お母さんは李奈の事
すごく大切に想ってるわ。
そして李奈には知る権利が
あると思うわ。」


あたしは気付いてしまった。

大好きなママが
涙を流してる事に…

「ママ?あたしは病気なの?」


恐る恐る聞いてみた――
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