あなたを想う。


「翼…
なんでここにいるの?」

あたしは溢れてくる涙を
こらえた


泣いたらダメ

一緒にいたいこと
まだ翼を想うこと

気付かれてしまう――




「李奈ちゃんが心配だから」


翼のたった一言が
あたしを救ってくれる気がした


「なんで?あたし…
好きな人できたんだよ!!
翼のこと好きぢゃないんだよ!!」

どうしてこんなに
胸が痛いんだろう


「李奈ちゃん…
もういいから。
嘘なんかつくなよ。」


静まる病室を
翼が変えた―――


「嘘なんかつくなよ。
俺がそばにいるから」

翼の手があたしの手に触れた―


あったかい…


「翼…李奈、嬉しいよ!!

本当に…

だけど、あたしは
いつか翼とサヨナラする日が
やってくるから

翼を傷つけてしまう…

だから
サヨナラが必要なんだよ!

李奈と一緒にいても
辛くなるだけ…

翼は幸せになってほしいんだぁ

李奈が初めて好きに
なった人だから、

本当に短い間だったけど

いっぱい幸せだったよ

ありがとう。」
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