あなたを想う。
「李奈ちゃん、
よく聞いて?

一回しか言わないから…」


「うん」


あたしは怖かった―――



「俺と付き合って?」





え?



翼なんて言ったの?



「え?」



「おい!一回しか言わないって
言っただろ?」


「李奈ちゃん、
俺と付き合って?」




翼はバカだ―――


あたし、いつか死んじゃうのに…


だからサヨナラしようと
決めたのに…


こんなふうに言われると

初めて翼と電話したあの日の事を思い出す。


あの日、
あたしたちの恋が始まった―


翼…ごめんね。


わがままで自分勝手なあたしを
許して――――


翼を想えば想うほど

涙が溢れた―――


「グスン…
翼?あたしね、翼のこと
大好きなままだよ…。」


それ以上なにも言えなかった


翼の手があたしの頬にのびる


*優しい優しいキスをした*
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