fight*girl
ありえない出会い
「お前今月なんぼ使える?」
「………はぁ?」
「売上げ足らんねん!!頼むわ!!」
「無理やし、お金ないもん」
そっぽを向いて携帯をいじる。
…それって彼女に頼む事ちゃうやん。
「あっそ、お前もういらんわ」
「意味わからん、なにがよ」
「稼げん女なんていらんってゆってねん」
「ちょっと待ってや!!!」
全然言ってる事がわからない。
そう思っていると、目の前の男、春は私に向かってタバコを投げつける。
「あっつ…!!!」
腕に当たり、直ぐに痛みが生じて眉間にシワを寄せた。
「お前みたいな女、色カノじゃボケ」
吐き捨てられ、春はエレベーターに乗り込んで店へ向かう。
私は瞳に溜まった涙を零さないように必死に我慢した。
…騙された。
その思いが心を痛くする。
あからさまに泣きそうな顔を誰にも見られないように、急いでタクシーに乗り込んだ。
.