fight*girl
ガキィィン…!!!
「ああぁあぁアあァ!!!」
ぼとり、と栄子の腕が落ちる。
それと同時に視界に入ったもの、
―…白装飾
「優、羽…」
白い着物が栄子の返り血で赤く染まる。
「何してんねん!!!早よそいつから離れろ!!!」
振り向き、そう叫ばれ意識がハッとする。
…そうや、こいつ殺さな
ニヤニヤと笑う綺羅の首に急いで手をかける。
血まみれの手は抑えた首を真っ赤に染めた。
「あいちゃん、止めときなよ」
「黙れ!!!」
「夜叉になってるってば」
「栄子をあんな姿にしたくせに…!!!」
再びポロポロと涙が溢れ出す。
その涙は綺羅の顔に伝っていった。
「傷つけるならうちを傷つければいいやん…!!!」
「……………」
「栄子はっ…関係ないやんかぁ…」
首を抑えたまま、綺羅の胸に頭をつける。
「誰が栄子をっ…倒すかわかってんの…?」
「誰がっ…!!!栄子にとどめ刺すと思ってんのよぉ……!!!」
悲痛な叫びは宙を掻く。
この叫びはもう、栄子には届かない。
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