fight*girl
頭をポリポリ掻きながら優羽は大きなため息を零す。
そして私をチラッと見て、口を開いた。
「倒すことは出来る」
「やっぱり?!」
「でもそれは禁断やねん」
「え…?」
禁断?なんで?
頭を傾げたまま、ストンと座る。
「天使は神の使いやろ?」
「?うん」
「例えば犯罪者を俺が殺めると、神の審判として地獄へ送られる」
「地獄」
「じゃあ人を殺したキメラを俺が殺せばどうなる?」
…キメラは人を殺す。
それは犯罪者と同じ、
「地獄行き…?」
「そう、けどな?キメラになった人間は悪くないわけやん」
「確かに…」
キメラになったせいで殺すわけで、簡単に言えば魔界のせい…。
「でも事実上は人を殺めている、俺が倒せば自動的に地獄行き」
「………」
「キメラにされた挙げ句地獄行き、なんてあり得へんやろ」
…それが禁断の理由。
だから私しか倒せないってわけ、か。
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