fight*girl
「俺は人間を移動させるから早よ行け」
「はいっ!!!」
バラバラに移動して、一目散に走る。
人を避けながら、剣を引き抜く。
「間に合…っえ!!!」
ガキィィィーン…!!!
間一髪、人とキメラの間に入り込み、キメラの爪を止めた。
もう何の動物かわからないキメラは私を睨んでいる。
「大丈夫?!」
足元で身を小さくしている男に声をかける。
恐怖からなのか体は震えているが、なんとか顔を上げた。
「………え?」
思わず目を見開く。
相手の男も私を見て固まっていた。
「あい…?」
あの時、私を切り捨てた。
私の心を弄んだ。
最低最悪の男、
「春…」
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