fight*girl
「お願い…どっか行ってって」
「あいちゃん」
消え入りそうな私の前に綺羅は降り立つ。
そして私の頬に手を添えた。
どくん、どくん、
心臓が高鳴る。
怖いんじゃない、本能が剥き出しになりそうで。
夜叉になるのを今か今かと待ち望んでいる。
「いい目だね」
「……え?」
綺羅の瞳に、私の顔が移る。
その瞳は、
赤色だった。
駄目、綺羅に吸い込まれる。
逃げなきゃ、離れなきゃ。
春を助けなければ。
これ以上綺羅に近くにはいてはいけない。
「本当の自分を解放しなよ」
「か、いほう」
「あいには血が一番似合うよ」
どくんっ…!!!