fight*girl





いつも優羽はそうやって私を護ってくれる。


私が泣いたら抱きしめてくれる。


それなのに私は、







「だからお前はっ…!!!」


「黙れ!!!」





手を空にかざして、黒い玉を作る。


その玉は段々大きくなり、影が私達を包む。





「死ね!!!」





黒い物体を振り下ろす。

それは優羽の体を目掛けていて、








「お前は一生俺の傍にいろ!!!!」







優羽の悲痛な叫びが私に届く。



黒い物体に押し潰された優羽の姿はもう見えない。






…その瞬間、私の瞳は







赤から黒になった。







「綺羅、」




小さく名を呼ぶと、綺羅はニッコリ微笑みその手を止める。



黒い物体は消えて、意識を失った優羽が目に入った。





「ごめんね、ちょっと我を忘れちゃった」


「みたいやな」





ツカツカ歩いて春の目の前に立ちはだかる。





「や…やめっ…」


「……………」





恐怖でガタガタ震える春を、





グンッ…!!!




「うわあっ!!!」






思いっきり蹴り上げた。





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